離婚後の手続
離婚後に必要になる年金や健康保険などの主な変更手続
離婚は想像以上に労力がかかりますが、その理由のひとつに、年金や健康保険などの離婚に伴う諸手続があります。
主な手続としましては、
年金と健康保険の切り換え → 市区町村役場・社会保険事務所
年金分割の同意があればその年金分割手続 → 社会保険事務所
名字や住所が変わったことによる預貯金の名義変更 → 金融機関
免許証の記載事項の変更 → 警察署
パスポートの変更 → 都道府県庁・地方振興局
印鑑登録の変更 → 市区町村役場
違う市区町村に引っ越す場合なら、転出届・転入届。
さらに世帯主が変わるなら世帯主変更届 → 市区町村役場
郵便物の新しい住所への転送届 → 郵便局
新しい電話番号への変更 → 電話会社
生命保険等の受取人の変更など→保険会社
があります。他にも必要に応じて手続はあるでしょう。
子の氏の変更許可の申立て
子供の姓は離婚により影響を受けずに、結婚していた時の筆頭者の戸籍にそのまま残ります。
これは、親権者となって実際に子供と生活していようとも変わりません。
例えば、離婚時の戸籍の筆頭者が父であれば、たとえ母が親権者で子供と同居していても、子供の籍は父の戸籍に残り、姓もそのままということになります。
このような場合そのままだと、子供は父の戸籍に残ったままになるので「子の氏の変更許可の申し立て」を家庭裁判所にします。
申し立てる家庭裁判所は、子供の住所地の裁判所になります。
申立て手数料は子供1人につき800円となります。それと切手代がかかります。
変更の理由が同居の親と同じ姓を名乗るためであれば、たいていの場合はすぐに許可され、許可審判書が交付されます。
これを市区町村役場に入籍届とともに提出し、受理されると子供は母と同じ戸籍に入り、同じ姓を名乗ることができます。

「子の氏の変更許可の申立て」は、子供が15歳未満の場合には親権者(監護権のことではなく財産管理権を持っている者)が本人(子供)に代わって変更手続を行います。
もし、子供が15歳未満で父親が親権者の場合はその同意が得られなければ子供の姓の変更はできません。
ですので、親権と監護権を分ける場合は、そういった点を考慮しときましょう。
ただ、熟年離婚においては、子供が15歳以上の場合が多いかと思います。
その時は、「子の氏の変更許可の申立て」の申立人は直接子供本人がなります。
つまり、15歳以上であれば、親権者の同意が必要でなく、本人が手続を取ることができるということです。
ちなみに「子の氏の変更許可の申立て」によって姓を変えた子供は、成人になってから1年以内に届出をすれば、前の姓に戻ることができます。
具体的に言うと、結婚時の姓が田中で、子の氏の変更許可の申立てをして佐藤になったとします。その場合、20歳になってから1年以内に届出をすれば田中に戻ることができるということです。
もし上記のようなケースで、母が「離婚の際に称していた氏を称する届」を、市区町村役場に届け出て結婚していた時の姓(仮に田中とします)を継続していれば、その母の姓は当然に田中になりますが、子供は夫の戸籍の田中であって、上記のような家庭裁判所による手続をふまなければ、妻の戸籍の田中にはなることができません。
同じ姓なのに、まったくもってややこしい話である。
戸籍の場合は上記のような手続が必要になりますが、住民票はややこしい手続きなしで、違う姓でも同じ世帯に入れることができます。
自治体等による児童扶養手当などの援助
児童扶養手当…実質的に一人で子供を育てている母または監護者には「児童扶養手当」が支給されます。父子家庭はもらえません。
ちなみに「児童」とは18歳に達した日以後の最初の3月31日までにある者をいいます。
手当額は前年度の所得に応じて、受給額が決まります。
所得が230万円未満であれば、所得に応じてもらえます。
ここでいう所得とは収入から給与所得控除等の控除をして、養育費をもらっている場合は、その8割の額を足した額をいいます。
受給資格の取得から5年以内に、市区町村役場で手続を行わないと、支給資格を失うので注意。
もし、実家に戻って普通に働いている親と同居する場合は、児童扶養手当をもらうのはかなり難しくなります。
児童扶養手当支給額シュミレーション
児童扶養手当以外にも各自治体によって、様々な福祉制度があります。
例えば、住宅に困っている場合には、公営住宅の優先入居がある自治体もあります。
就学に必要に必要な資金等を、無利子または低利子で貸し付けてくれる制度もあります。
その他にも、医療費の助成など色々な制度があります。
その内容・支給要件などは地域によって異なりますので、1度市区町村役場の福祉課等に足を運び話を聞いてみましょう。
離婚して児童手当(児童扶養手当とは異なる)をもらっている子供と一緒に暮らす場合は、児童手当の振込口座を自分の口座へ切り替える必要があります。
離婚後の健康保険
離婚した後、健康保険はどうなるのでしょうか?
おおよそでありますが、加入している健康保険を表にしてみました。
| 1、 公務員 |
共済保険 |
| 2、 一般の企業で働いている人 |
健康保険(被保険者) |
| 3、 2の配偶者で働いていない人 |
健康保険(被扶養者) |
| 4、 自営業・働いてない人など |
国民健康保険 |
まず、あなたの健康保険が何かを確認してください。

株式や有限会社で正社員で働いている人(2の人)は、法律的には必ず健康保険に入っています。
要するに、自分で自分の健康保険を持っているわけです。ですので、離婚しても健康保険そのものは変わりませんが、名字が変わった場合は、会社にその旨を伝えて指示を受けてください。
ちなみに、公務員(1の人)も同じです。
次に、国民健康保険の人(4の人)は、市区町村役場に離婚した旨を届け出てください。保険自体は今までと同じ国民健康保険です。
最後に、一番ややこしい、専業主婦などの通称サラリーマンの被扶養配偶者(3の人)です。
3の人は、基本的に、国民健康保険に切り換える必要があります。
まず、保険をかけてくれている会社に、被扶養者から外れることを告げてもらい、被扶養者から外れる手続をしてもらってください。
その後、市区町村役場に行って、国民健康保険に加入してください。
で、実は今まで健康保険の被扶養者として保険料の負担がなかったんですね。
それが、今度からは、自分で国民健康保険の保険料を支払わなければならなくなります。
なお、国民健康保険の保険料は、その自治体ごとに異なるので、あなたの住んでいる市区町村に問い合わせてみてください。
ちなみに、3の人で子供を引き取る場合に裏技があります。
それは、離婚後、子供を引き取った場合でも、子供が父母どちらの医療保険に加入すべきかは、扶養の実態に照らして判断され、親権や同居しているかどうかは関係ありません。
このため、夫の了承が得られれば、扶養家族(健康保険における被扶養者)として夫の保険に、そのまま加入し続けることができる場合もあり、その分子供の分の国民健康保険の保険料はかかりません。そうしたからといっても、夫の健康保険料自体が上がることはありません。
ただし、健康保険の被保険者証(保険証)が、カード化されて一人1枚ずつ持っていないと、医療機関にかかる度に、被保険者証をもらいに行かなければいけませんので、かなりの手間がかかります。
その手間を考えると、カード化されていることがこの裏技の条件ですね。
離婚後の年金
離婚した後の年金はどうなるのでしょうか?
おおよそでありますが、加入している年金を表にしてみました。
| 1、 公務員 |
共済年金+国民年金2号 |
| 2、 一般の企業で働いている人 |
厚生年金+国民年金2号 |
| 3、 2の配偶者で働いていない人 |
国民年金3号 |
| 4、 自営業・働いてない人など |
国民年金1号 |
上の表の1・2・4にあたる人は、離婚したからといっても特に何も変更する必要はありません。
敢えて言うなら、名前が変わる場合に、氏名の変更を届け出るくらいでしょう。
問題なのは3の人です。平成20年4月からの年金分割という概念が出てくるのも3の人です。
この人は、国民年金を、第3号被保険者から第1号被保険者という区分に変更しなければいけません
そして、それに伴い今までは、今までは被扶養配偶者という形だったために、かかっていなかった国民年金の保険料を、取られるようになります。
ちなみに、国民年金の保険料は月14100円です。
この保険料は6箇月または1年分まとめて払うことによって、若干安くなります。
それと、国民年金には保険料の免除という制度があり、前年度の所得が少なかったなどの場合であれば、免除を申請したら認めてくれるかもしれないので、物は試しに申請だけはしておきましょう(世帯主の収入が関係するためなかなか認めてくれない)。
国民年金の免除の参考として、社会保険庁のホームページを記しておきます。
http://www.sia.go.jp/top/gozonji/gozonji02.htm
その他
離婚後、仕事に困ったら、気軽に公共職業安定所(ハローワーク)をたずねてみてください。
そこでは、職業の紹介はもちろん、就職のために必要な技術を身につける公共職業訓練をうけさせてもらえる場合もあります。
夫が借りている借家に、離婚後も住み続けたい時は、家主との契約書を作り直して、妻が借りていることにしておくのが一番です。
もし、夫が名義変更に応じなくても、家族の住居として夫が家を借りていた場合は、家族の一員たる妻も賃借人の地位を持っていると考えられるため、住み続けることはできます。
よって、夫が勝手に解約したとしても、家主は妻に対して明け渡しを求めることができません。
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